里芋は低温にも高温にも弱く、保存が難しい食材です。
できるだけ変色させないように保存するには、
- 常温で保存する
- 冷蔵で保存する
- 冷凍で保存する
- 皮つきのまま土の中で保存する
以上、4つの方法をお試しください。
また、調理中に色が変わってしまうこともあるので、里芋料理に対するハードルをさらに上げてしまいますよね。
そこで今回、取り扱いが難しい里芋を変色させずに保存する方法のほか、調理中の変色を防ぐ方法についてご紹介します。
色が変わっても食べられることもありますので、そちらも併せてご覧ください。
里芋の変色を防止する保存方法
まず最初に、調理する前の里芋を変色させないように保存する方法をご紹介します。
- 常温で保存する
- 冷蔵で保存する
- 冷凍で保存する
- 皮つきのまま土の中で保存する
それぞれの内容を、より詳しくご説明しますね。
常温で保存する
泥と皮がついたままの里芋を常温で保存する時は、直射日光が当たらず、暗くて涼しく、風通しの良い冷暗所が保存に向いています。
光に当てないように紙袋に入れたり、新聞紙やキッチンペーパーで包んでおくと、変色を防ぐことができますよ。
よく耳にする冷暗所というのは、温度と湿度が一定になる場所のこと。
一戸建て住宅ですと、床下収納が冷暗所に当たりますが、マンションやアパートのような集合住宅の場合、床下収納がそもそもない物件もあると思います。
そういう場合は、発泡スチロールで冷暗所を手作りしちゃいましょう!
発泡スチロールは断熱材にも使われているので温度変化は少ないですし、底面にいくつか穴を開けておけば風通しも抜群。
もし箱内の温度を10度以下に低く保ちたいなら、保冷剤を入れておけば解決しますよ。
発泡スチロールはホームセンターで売っているので、保存したい野菜がすっぽりと収まるサイズを探してみてくださいね。
と、ここまで冷暗所での常温保存についてご説明しましたが、室内の温度が上がりやすい夏場の場合、常温での保存はお勧めできません。
7月から9月くらいの暑い時期は、できるだけ野菜室で保存してください。
冷蔵で保存する
里芋は低温も高温も苦手という、困ったちゃんな野菜。
温度と湿度を一定に保てる冷暗所が保存先としてベストではありますが、暑い時期だけは冷蔵庫の野菜室で保管するのが望ましいです。
冷蔵庫も涼しくて暗い場所に当てはまるため、冷暗所は元から設置されてないアパートやマンションであるとか、手作りの冷暗所は置き場所に困るという場合、冷蔵庫の野菜室で保管してみてください。
野菜室以外ですと、温度が低すぎて、里芋が変色する可能性大!
冷蔵庫の野菜室で保存する場合も、紙袋に入れたり、新聞紙などで包んであげると、より適切な湿度に保つことができますよ。
冷凍で保存する
里芋は冷凍でも保存することが可能です。
スーパーやコンビニで見かける冷凍の里芋は、料理で使いやすいように下処理済の状態で売られていますが、家で冷凍する場合も皮を剥いて加熱しておくと便利。
茹でて冷凍するなら、使う時に煮崩れしないよう、固めに茹でてくださいね。
下茹でした里芋は丸のまま冷凍しても良いですが、大きい物は前もって一口大のサイズに切っておくと、特に解凍することもなく料理で使うことができますよ。
火を通した里芋は、水気をしっかり切って、冷ましてからジップロックへ。
水分が残ったままだと、冷凍中に霜がついてしまうため、長期保存が難しくなります。
保存袋に里芋を入れたら、潰さないように空気を抜いて平らにしておくと、使いたい時に使いたい量だけ取り出すことができます。
また、皮がついた状態で生のままでも冷凍は可能です。
里芋はしっかり土を洗い流せば皮まで食べられる食材なので、使う時は皮つきのまま鍋へ入れて煮込んでしまっても良いと思います。
皮ごと食べる予定なら、冷凍する前に汚れを洗い流してくださいね。
里芋を皮つきのまま食べるのはちょっと……という場合は、レンジで加熱すればスルッと簡単に皮を剥くことができますよ。
皮つきのまま土の中で保存する
里芋の保存は土と皮がついた状態で、冷暗所に保存すると変色を防ぐことができますが、より自然に使い形の土に埋める保存方法も長期保存が可能なのでオススメです。
ただ、里芋は湿気に弱く、水に濡れてしまうとカビが生えるので、土の中で保存する時は雨で濡れない場所が適しています。
ずっと埋めっぱなしにするのではなく、たま~に里芋の状態を確認してくださいね。
10月~11月頃の気温が下がる時期は、霜ができないようにシートで保護しておくと、目印にもなるので良いですよ。
もし雨や霜で里芋を悪くさせてしまうのが心配であれば、発泡スチロールに土を入れて、その中で保存しておくと良いかもしれません。
里芋を調理中に変色させない方法
続いて、調理中の里芋を変色させない方法をご紹介しますね。
- 酢水に浸ける
- お米のとぎ汁で下茹でする
- 銅の鍋を使う
上記の方法で変色を防ぐことはできますが、里芋は皮を剥いた時から酸化するため、色が変わる前に調理するようにしてください。
それでは、詳細をご説明しますね。
酢水に浸ける
里芋の皮を剥いた後、5分ほど酢水に浸けると色止めができますよ。
酢水に浸けるとお酢の味が里芋に残るんじゃないかと心配になるかもしれませんが、水でしっかり洗い流せばお酢の酸っぱい味や匂いは残りません。
色止めすることによって、酸化による変色を防げます。
お米のとぎ汁で下茹でする
酢水に浸ける以外に、お米のとぎ汁で下茹でする方法もありますよ。
普段から無洗米を使っていて、とぎ汁が出ない場合、生のお米や残りご飯を少しだけ鍋に入れて煮ると、里芋に含まれるアクの成分、シュウ酸カルシウムが溶け出して、キレイな色に仕上がりになります。
また、とぎ汁で煮ると変色を防ぐだけでなく、里芋のぬめりを抑えてくれる効果も。
銅の鍋を使う
里芋には、アクの成分であるシュウ酸カルシウムだけでなく、ポリフェノールの一種でもあるタンニンが含まれています。
このタンニン、お茶や紅茶にも含まれていますが、鉄やアルミ製の鍋で煮ると化学反応を起こしてしまうんです!
化学反応が起こると、里芋が黒く変色する要因に。
黒に変色しても味は変わらないので食べても問題はありませんが、できればキレイな色に仕上げたいですよね。
煮ている間の変色を防ぐには、化学反応を起こさないこと。
そのためには、テフロン加工された鍋か、銅でできた鍋を使ってみてください。
変色してしまった里芋は食べられる?
保存に気をつけていたけど、それでも里芋の色が変わってしまった……
捨てる前に、里芋の状態を確認してみてください。
- 赤やピンク色の斑点
- 紫色の変色
- 緑色の変色
- 茶色の変色
- 黒や灰色の変色
上に書いた変色は、食べても大丈夫な変色なんですよ。
緑や紫、赤い斑点など、口に入れるにはちょっぴり心配になるような変色でも、問題なく食べられる理由をご説明しますね。
赤やピンク色の斑点と筋
皮を剥いた里芋に、赤・ピンク色の斑点や筋が入っている時があります。
この斑点や筋の正体はポリフェノールの一種、アントシアニン。
アントシアニンが空気に触れて酸化すると、赤やピンクの斑点がポツポツと浮かんだり、筋が浮き上がってくるんです。
低温障害になると斑点や筋が出てくることがあるほか、アクが強かったり、収穫してから時間が経った里芋にも現れることがあるため、風味が落ちて硬い可能性も……
食べても大丈夫ですが、気になるようであれば包丁やピーラーで取り除くと良いですよ。
注意点としましては、酸っぱい異臭がしたり、実が溶けていたら、確実に腐っているので食べるのはやめてくださいね!
低温障害などで赤い斑点が出ている時は、お米のとぎ汁や生米を入れて下茹ですると白に戻ることもありますよ。
紫に変色している場合
紫色の変色もポリフェノールのタンニンによるものなので、問題なく食べられます。
身体に害はないとは言っても、里芋が劣化したことで変色しているのは確かなので、もし変色部分が気になるようであれば、その部分を包丁などで取り除いてくださいね。
緑色に変色している場合
里芋が緑色に変色する理由は、日光にあたってしまったことによる緑化です。
栽培途中で日光が当たったり、冷暗所ではなく、明るいところに放置すると里芋の内部で葉緑素(クロロフィル)という、植物に含まれる天然の色素が出てきてしまうんです。
じゃがいものソラニンと違って、里芋の緑色は毒ではないので食べても大丈夫!
ただ、緑色になっている部分は、ほかの白いキレイな部分よりアクが強いので、えぐみを感じてしまうかもしれません。
皮を剥いたら茶色に変色していた場合
里芋の皮を剥いたら、実が茶色に変色してることがあります。
変色している部分は傷んでいるわけではないので食べることはできますが、水分や栄養が抜けて固くなっているほか、えぐみが強いため、あまり美味しくないかもしれません。
火を通しても固さが残ることが多いので、もし食べる場合は、茶色に変色した部分を切り落としてからの調理がオススメです。
しかし、変色した部分が全体の場合だったり、酸っぱい臭いがする場合は傷んでいるので食べないほうが良いですよ!
煮込んだら灰色に変色した場合
里芋を煮ていると、灰色や黒っぽい色に変色することがあります。
このように灰色や黒く変色する原因は、里芋に含まれるシュウ酸カルシウムやタンニンによるものなので、問題なく食べることはできますよ。
里芋はアクが強いため、下茹でする時や煮物にする時など、熱を加えて調理すると酸化と化学反応が進んで、灰色や黒っぽい色に変色してしまいます。
また、アルミ鍋や鉄鍋で煮る場合も、里芋に含まれるタンニンが化学反応を起こすため、黒く変色するんです。
鍋で煮ていただけの里芋が灰色や黒っぽい色に変わってしまうと、口に入れるのは抵抗があるかもしれませんが、加熱されたことによって里芋の成分が変色しただけのため、味に変化はないので安心してくださいね!
煮ている時の変色が気になるようであれば、お米のとぎ汁で下茹ですると里芋のぬめりや変色を抑えることができますよ。
里芋が変色する原因とは?
そもそも、保存していただけの里芋が変色してしまうのは、
- 低温障害
- 高温障害
以上、2つの原因が考えられます。
低温障害
土の中で育つ里芋は、寒さにとても弱い野菜。
調理前の里芋を土の中で保存する方法を上のほうで紹介しましたが、外気温が下がると、土の中も冷えてしまい、里芋は低温障害を起こします。
低温状態で土の中に居続けた里芋はアントシアニンが増え、皮を剥いた後の実にピンクや赤っぽい斑点が出てきたり、紫色に変色するように。
水分や栄養が抜けてしまうので味は落ちますが、食べる分には問題ありません。
高温障害
里芋は寒さに弱い野菜ですが、暑さも苦手です。
低温障害とは逆に、25度以上になる場所に保存していると、すぐ傷んでしまい、異臭やヌルヌルとしたぬめりが出てきます。
寒さと暑さに弱い里芋は、基本的に冷暗所での保存がベストではありますが、夏場などの外気温が高い時期は冷蔵庫の野菜室で保存するほうが傷みにくいですよ。
里芋の腐りかけはどう見分ける?
里芋が変色するのは、里芋に含まれるアクやポリフェノールの酸化が原因ですが、本当に腐っていることもあるため、調理する時はよく確認することが大切です。
- カビが生えていて、実が変色している
- 臭いが発生する
- 触るとブヨブヨと柔らかい
上記に当てはまる時は傷みが進んでいる状態のため、処分したほうが良いですよ。
それぞれの詳しい内容を書いていきますので、保存していた里芋が傷みかけているかなと思ったら、チェックしてみてください。
カビが生えていて、実が変色している
里芋は、皮の表面にフワフワとした白いカビが生えることが。
カビをしっかり洗い流して、厚めに皮を剥くと食べられることもありますが、カビ臭さが感じられたり、水分を含んだようなブヨブヨとした柔らかさは、腐っているので食べてはいけません!
また、厚めに皮を剥いても、中身が半透明に変色している時も腐敗が進んでいます。
臭いが発生する
腐りかけの臭いはなかなか想像できないと思いますが、果物が発酵したような甘い臭いをイメージされると良いかもしれません。
カビ臭いような、酸っぱいような、独特の臭いがする時は腐敗が進んでいます。
触るとブヨブヨと柔らかい
固い野菜の傷んでいると、表面がブヨブヨと柔らかいことがありますよね。里芋の傷みが進んでいる時も同じ状態になります。
ブヨブヨとまではいかなくても、指で押した跡が少し残るくらいの柔らかさなら大丈夫と思っても、いざ切ってみると中はべちゃべちゃということもあるので、触った時に水分を含んだような柔らかさを感じる時は廃棄してくださいね。
里芋の変色を防止する保存方法と変色させない方法まとめ
里芋を変色させないように保存するには、
- 常温で保存する
- 冷蔵で保存する
- 冷凍で保存する
- 皮つきのまま土の中で保存する
以上、4つの方法がオススメです。
直射日光が当たらず、風通しの良い場所で保存しておくと間違いないですが、そのような場所がないお家の場合は、発泡スチロールの底にいくつか穴を開けた手作りの冷暗室でも大丈夫ですよ。
そして次に、料理中の変色を防ぐ方法ですが、
- 皮を剥いた後に酢水につける
- お米のとぎ汁で下茹でする
- テフロン加工の鍋や、銅製の鍋を使う
上記をお試しください。
里芋は皮を剥いた時点で酸化が始まるので、できるだけ早く調理すると良いですよ。