たけのこを食べていると、
えぐみを感じることがありますよね。
その原因は、
シュウ酸とホモゲンチジン酸です。
えぐみのあるたけのこも、
食べても大丈夫だと言いますが、
このえぐみが身体に悪影響はないのか心配ですよね。
そこで今回は、
食べると気分が悪くなったり、
胸焼けしたりすることもある、
たけのこのえぐみについて解説します。
たけのこのあくで胸焼け……身体に影響はある?
たけのこは、
旬が4~5月ですね。
その季節になると、
掘りたての皮つきたけのこが、
スーパーにもたくさん並んでいます。
このとってもおいしい旬のたけのこは、
灰汁(あく)が強いので、
食べる前に「あく抜き」という
前処理をする必要があります。
そして、
旬の味にわくわくしながら
食べてみるとえぐみが!
ちゃんとあく抜きしたはずなのに、
えぐみが強く残っていることもあります。
えぐみの正体はあくで、
たとえあく抜きをしても、
完全には取り去れないこともあります。
こんなとき、
そのまま食べても大丈夫なのですが、
後で気分が悪くなったり、
胸焼けがしてしまうことがあります。
また、
アレルギー反応に似た症状が
表れることもあります。
たけのこに含まれるアセチルコリンが原因で、
仮性アレルゲンとして作用してしまうのです。
気分が悪くなったり胸焼けしたりしても、
少し休めば良くなるのであれば大丈夫ですが、
続けて食べすぎないようにしましょう。
もし、
気管支喘息のような症状が出たり、
肌に発疹・かゆみが出るといった症状があり、
なかなか治まらないようなら、
念のため受診を考えてくださいね!
そのような症状が繰り返して表れる場合は、
食べるのを控えましょう。
そんな経験のある人は、
体調が悪いときも念のため
控えるほうが良いですね。
たけのこのえぐみは何が原因?
たけのこは、
掘りたての新鮮な状態だと、
生でも食べられるほどえぐみは感じられません。
ところが、
時間が経つにつれ、
たけのこの内部であくは増えていき、
1日経つと2倍以上にもなります。
この「あく」や
食べたときのえぐみの原因は、
たけのこに含まれる
シュウ酸とホモゲンチジン酸という物質です。
シュウ酸は、
ホウレン草のあく成分と同じもの。
体内で結石を作るため、
一度に大量に食べすぎないようにしなければなりません。
シュウ酸は水に溶けるので、
たけのこはあく抜きした後も、
食べる直前まで水に漬けた状態で保存するようにすれば、
さらに取り除くことができます。
料理の段階でカルシウムと結合して、
シュウ酸カルシウムになると安定し、
体内で結石の原因にならずに済むため、
カルシウムを含む食品と合わせて
調理する工夫をしましょう。
たけのこの場合は、
ワカメやちりめんじゃこと一緒に
若竹汁や煮物を作る方法があります。
次に、
ホモゲンチジン酸ですが、
これはたけのこに含まれる
チロジンというアミノ酸が、
酸化してできる物質です。
あく抜きしているとき、
たけのこの表面や鍋のふちに出てくる
白い物質がチロジン。
チロジン自体はアミノ酸なので、
身体に害はなく食べて良いものです。
これらの酸を取り除くために、
アルカリ性である重曹や米ぬかを入れて茹でることで、
えぐみを減らすことができるのです。
あく抜き後に、
すぐ水で洗わないで、
鍋でそのまま冷えるまで置いておくと、
より、あくを取ることができるそうですよ。
また、たけのこには青酸配糖体という
植物毒のような物質も含まれるのですが、
アク抜きで茹でることで、
それも減らすことができ、
体内に入る量を減らせます。
まとめ
たけのこは、
水煮パックなどがスーパーに売られていて、
1年中食べられるようになりました。
しかし、
旬のたけのこはまた格別ですよね。
ポイントを押さえてしっかりあく抜きすれば、
えぐみもかなり減らすことができます。
ちょっと手間のかかるあく抜きですが、
できるだけえぐみや苦味などの
食べたくない物質を減らし、
おいしくいただいてくださいね。