お風呂に設置されている鏡は、最初ははっきりと映るものですが、お風呂に入ると湯気でぼやけて見えなくなることがありますよね。
このため、どうせ見えなくなるからと思ってそのままにしておくと、気がついたときには鏡全体が白っぽく変色してしまい、入浴前でも見えにくくなってしまいます。
汚れに気づいてから慌てて掃除をしても、その時には遅いことも……
鏡の表面にザラザラとした頑固な汚れが付着してしまい、拭いただけでは汚れが簡単には落ちない状態に。
これは多くの人が一度は経験することでしょう。
今回の記事では、お風呂場の鏡に付着した、ザラザラの白い頑固な汚れを取り除く方法、汚れを防ぐための対策、そして裏面に付着した黒い斑点についても解説していきます。
鏡についた白い汚れの落とし方3選
お風呂場の鏡につく汚れは、水中のカルシウムなどのミネラルが原因で発生します。
これらのミネラルはアルカリ性であるため、理論的には酸性の物質(穀物酢、クエン酸、特定のクリーニング剤など)で水垢を柔らかくし、磨き落とすのが有効な方法です。
しかし、お風呂場の鏡においては、電気ポットなどと同じ理由で酸性の物質の使用は推奨されません。
酸を使用すると、鏡を固定している留め具や裏面のメッキ、さらには浴室内の金属製品や配管に腐食を引き起こす可能性があるためです。
そのため、上記に挙げたの酸性物質を使用した汚れ落としは避けるべきです。
どうしても酸性物質を使用する必要がある場合は、酸性成分が汚れ以外に触れないように細心の注意を払ってくださいね。
お酢やクエン酸を用いて掃除する時は、以下にご紹介する方法で鏡周辺の素材を保護することが重要です。
お酢やクエン酸で汚れを落とす方法
①鏡の裏側や取り付け金具にクエン酸やお酢が入らないようにするため、これらの部分にマスキングテープや保護テープを貼り、保護します。
②クエン酸、またはお酢をキッチンペーパーに染み込ませて鏡に張りつけて、約5分ほど湿らせておきます。
③塩をスポンジに取り、鏡の汚れをこすり落とします。
④水またはぬるま湯で鏡を洗い流します。保護していたマスキングテープを剥がし、洗い残しがないか確認しながら再度洗い流します。
しかし、掃除をする度にマスキングテープを貼る作業は手間がかかるものです。そこで、家庭にある物を使って、より簡単にできる方法をご紹介しますね。
歯磨き粉で汚れを落とす方法
①お風呂用の中性洗剤を使って鏡を洗い、表面の汚れを除去します。
②乾いたスポンジに歯磨き粉をつけて、鏡を磨きます。
③水またはぬるま湯で鏡を丁寧に洗い流します。
歯磨き粉を使った磨き方のコツ
円を描くようにスポンジで磨いていくと、歯磨き粉が徐々に状態を変えていきます。最も効果的な磨き時は、歯磨き粉が粉状に変化した時です。
さらに長く磨き続けると、スポンジが滑らかに動くようになりますが、これは歯磨き粉の研磨効果が減少した状態を示しています。
この時点で新しい歯磨き粉を追加し、磨きを続けます。
また、自動車を所有している方は、自動車専用の油膜取り剤「キイロビン」をご存じかもしれません。キイロビンはフロントガラスの油膜だけでなく、鏡の汚れ落としにも効果的なんですよ。
次にご紹介する手順で鏡の清掃を試してみてください。
キイロビンで汚れを落とす方法
①食器用のスポンジを軽く水で湿らせた後、自動車用のキイロビンを適量つけて鏡に塗りつけながら、円を描くように擦ります。
キイロビンを使う際、どのような状態になるまで磨き続けるか、迷いますよね。
磨き始めた段階は水垢などによって、研磨剤が弾かれるように感じます。磨き続けると、その弾かれる感じが徐々になくなっていきます。
大変かもしれませんが、辛抱強く円を描くようにしてゴシゴシと磨き続けます。
②上記の作業をしても弾き感がなくならない場合は、キイロビンが乾燥する前に、重曹の粉末を少しスポンジに取り、追加で磨きます。
③水またはぬるま湯で鏡を洗い流します。
自動車用のガラス研磨剤であるキイロビンは、酸化セリウムを主成分としており、長年に渡りガラスの研磨に使用されている人気商品です。
細かい傷を残さずに鏡をきれいに磨き上げることができますが、作業には時間がかかり、腕が疲れるというデメリットもあります。
ダイヤモンドパッドの注意点
鱗のような水垢落としに用いられる一般的な製品として、ダイヤモンドパッドと呼ばれる研磨スポンジがあります。
100 円ショップやオンラインショップでも人気の商品ではあるのですが、実は鏡の表面を傷つけるリスクがあり、その結果として水垢が悪化したり汚れが目立つようになることがあります。
鏡と人工ダイヤモンドを比較すると、鏡の硬度はダイヤモンドよりも低く、ダイヤモンドパッドの硬さによって鏡が傷ついてしまうことがあります。
確かにダイヤモンドパッドは水垢を取り除くのに便利な商品ですが、鏡が傷ついたら元の状態に戻ることはありません。
そのため、ダイヤモンドパッドの使用は非常に汚れがひどい場合のみに限定し、上述したほかの方法で鏡をきれいにすることが望ましいでしょう。
上記で紹介したいずれの方法で白い汚れを取るにせよ、一度こびりついた汚れた鏡を元のきれいな状態に戻すのは非常に困難です。
そこで次に、鏡が汚れないように保つ方法についてお話ししますね。
鏡の汚れを防止する方法とは?
頑固な白い汚れを予防するためには、水滴が鏡に付着した際にすぐに払い除くことが重要です。水垢は主に水中のカルシウムなどが原因で、水滴が鏡に付着しない限り汚れは発生しません。
水滴を定期的に払い除き、鏡を乾燥状態に保つことで、汚れを防ぐことができます。
水滴を払い除くためにおすすめのアイテムは、窓拭き用ワイパー、ゴム製のヘラ、またはスクイージーです。タオルの使用は、鏡に糸くずなどの繊維が付着する恐れがあるため、避けたほうが良いでしょう。
さらに、鏡の曇りを防ぐためのアイテムとしてもいくつかの選択肢があります。ただし、もしお金をかけたくない場合は、以下にご紹介する簡単な方法もありますよ。
しかし、お金をかけない方法は市販のアイテムに比べて、曇り止め効果の持続時間は短めです。
①シャンプー、リンス、ボディーソープ
≫上記のいずれかを鏡に塗布し、軽く水で洗い流します。
②シェービングクリーム
≫シェービングクリームを鏡に塗り、薄く広げた後、数分間放置します。その後、乾いた布で拭き取ります。
③液体のり
≫液体のり(ポリビニルアルコールを含まれているもの)を鏡に塗ります。
その後、シャワーで少し水をかけ、布で鏡全体に液体のりを均一に広げます。ポリビニルアルコールは水滴を分散させる性質(親水性)を持っています。
鏡の裏側についた黒い汚れ
何年も使用した鏡には、裏面(内側)に黒い斑点状の汚れが見られることがあります。
この汚れは白い水垢汚れとは異なり、残念ながら取り除くことはできません。もし、黒い汚れが鏡についていたら、鏡を買い替えるしか対応策はありません。
この黒い汚れの正体は、鏡のガラス裏面にある銀メッキが酸化して錆びたものです。
特に湿気の多い浴室や洗面所の鏡でよく見られる現象で、湿気以外にもアルカリや酸、塩などが銀メッキに入り込み、腐食を引き起こすことが原因です。
一度この状態になると修復は不可能で、鏡の交換が必要になってしまいます。鏡の裏面が黒く変色しないように、日頃からの適切なケアが重要です。
そのためには、使用する洗剤は中性洗剤に限定すること。
カビが生えた場合や白い水垢汚れが発生した場合、強力な酸性の洗剤で汚れを落としたくなるため、日頃のメンテナンスが重要です。
また、鏡についた水滴を放置しないよう、最後にお風呂に入った人がお風呂から出る前にワイパーなどを使用して水滴を払い落としておくのも良い方法ですよ。
これらの対策によって、鏡を長持ちさせることができますし、頑固な水垢になって掃除が大変になることもありません。
鏡についた白い汚れの落とし方3選と汚れ防止まとめ
鏡の手入れとメンテナンスは、その寿命を延ばし、美しさを保つために重要です。
お風呂上がりなど、日頃から鏡の水滴を払い落としておくほか、中性洗剤で定期的に清掃することが基本です。
特に、湿気が多い浴室では鏡の裏側が黒く変色することがありますが、これは銀メッキの酸化が原因で、いったん起こると交換以外に対処法はありません。
また、鏡を磨く際には、シェービングクリームや液体のりなど、お金をかけずに、家庭にあるものを使用する方法も有効ですよ。
鏡を掃除する際の注意点として、百均などで売っているダイヤモンドパッドなどの硬質な研磨剤は、鏡の表面を傷つける可能性があります。
頑固な水垢汚れになる前に、簡単な日常のケアで、きれいな鏡をキープしてくださいね。