怪物事変 第24話『悪い子』感想とネタバレ | えぶりでいはっぴねす
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怪物事変 第24話『悪い子』感想とネタバレ

ジェラシー 怪物事変 感想
この記事は約13分で読めます。

コミックス第6巻発売記念、センターカラーでした。

カラーを飾っているのは、紫煙を燻らせる
ダンディ隠神さん。

そして、コミックスの表紙は野火丸くんです。

前回、前々回に引き続き、幻結石を譲ってもらうために、
太三郎おじいちゃんの試練を受けている最中の夏羽くん。

伊予姫ちゃんとの修行で、少しずつおじいちゃんの
攻撃を見切れるようになりつつあるものの、まだまだ
歯が立たず、試練もクリアできません。

今回も夏羽くんの修行回です。

本誌をまだ読んでいない方や、コミックス派の方には
配慮をしておりませんので、ネタバレが嫌な方は
ご注意くださいませ。

修行の成果で確実に成長している夏羽くん

川の字になって眠る、隠神さん、夏羽くん、紺ちゃん。

夏羽くんが真ん中にいる辺り、紺ちゃんの狸アレルギーは
相当なものです。

真夜中に目を覚ました紺ちゃんは、深い眠りに
ついている夏羽くんに、そっと忍び寄りました。

怪物の結石に手を伸ばしたところで、伊予姫ちゃんの名前を

寝言で呼んだ夏羽くんに、紺ちゃんは結局なにもできず、
髪をバリバリと掻き毟りながら、自分の布団へ。

その様子を隠神さんは密かに伺っていたんですが、
もし紺ちゃんが夏羽くんの結石を奪うようであれば、
阻止するつもりだったのでしょうね。

紺ちゃんが悪い子ではないことは、これまでの出来事で
わかっていても、怪物の結石が飯生さんの手に渡るのは
避けたいところです。

そして、翌日。

自分の持つ結石が紺ちゃんに狙われているとは露ほども
気づいていない夏羽くんは、太三郎おじいちゃんの試練に
挑んでいました。

伊予姫ちゃんとの修行の成果が出てきた夏羽くんは、
太三郎おじいちゃんの初撃をだいぶ余裕を持って
避けられるように。

けれども、太三郎おじいちゃんの猛攻は止まりません。

強烈な初撃に続いて、槍のように杖で突いてくる攻撃を
紙一重で避けていた夏羽くんですが、壁際まで追い詰められ、
再び太三郎おじいちゃんの必殺の一撃で倒されてしまいました。

物陰から様子を伺っていた伊予姫ちゃんは、
太三郎おじいちゃんの攻撃を見事に学習!

二人は再び修行を再開したのですが、屋根の上から
観察していた全吉くんのセリフによると、この時点で
すでに10日が経過しているようです。

太三郎おじいちゃんの目的

夏羽くんと伊予姫ちゃんが修行している様子を
屋根の上から見ているだけの全吉くん。

そこへ隠神さんもやってきました。

縁側で一服していると女中さんたちに怒られるので、
屋根の上に避難してきた模様。

出会ったばかりの頃、一方的に夏羽くんを
敵視していた伊予姫ちゃんでしたが、夏羽くんの
修行に熱心に付き合うくらいには打ち解けています。

そんな二人の様子を見ていた隠神さんに、全吉くんは
夏羽くんは攻撃を避けるのが苦手なのかと分析しました。

屍鬼は死なないから、それ故に緊張感がなくなるのかと
疑問に感じたようです。

隠神さん曰く、攻撃に対する緊張感が薄いのもあるけれど、
そもそも攻撃を受けることが癖になっているとのこと。

夏羽くんが攻撃を受ける癖を身につけたのは、
育ってきた環境でしょうかね。

隠神さんに出会うまで、学校にも通わないで
親戚の家業を手伝っていた夏羽くん。

従兄弟や叔母夫婦、集落の人間からの心ない
仕打ちに抗うよりも、言いなりになっていたほうが
楽だったし、長引かせることもないことを
学習していたんですね。

だから、戦い方にもその癖が反映していた――

捨て身の攻撃でごり押しできるのが屍鬼の強みですが、
どうやら太三郎おじいちゃんは、夏羽くんが無意識に
持っている「不死への甘え」を捨てさせようとしているようです。

瀕死になるような攻撃を喰らうたびに、
身体を再生させていると、どうしても
後手に回ってしまう。

なので、

攻撃を避けるべきか?

それとも受けるべきか?

夏羽くんがこの見極めができるように、
太三郎おじいちゃんは試練を与えているのですねー。

なんだかんだで、良いおじいちゃんじゃないですか!

そして隠神さんも。

太三郎おじいちゃんの目的に気づきつつ、夏羽くんたちに
手を貸さないのは、彼らから手助けを求められていないし、
伊予姫ちゃんにとっても良い経験になっているので、
自分が手を出すのは無粋だと温かく見守る姿勢のようです。

もう、ほんと隠神さん、良い上司です!

父性たっぷりです!!

全吉くんも尊敬の眼差しを向けるはずですよー!

全吉くんの謀

夏羽くんと伊予姫ちゃんの鍛錬を見守っていた全吉くんは、
一人離れたところで引っかき修行をしている紺ちゃんに
目を向けました。

狐の紺ちゃんが、隠神さんと共に狸の総本山である
屋島寺にいることがずっと不思議だった全吉くん。

成り行きでついてきちゃったけど、悪い子じゃないと言う
隠神さんに、全吉くんはあの子は仲間じゃないんですねーと、
紺ちゃんを見る目はちょっと冷たいです。

全吉くんは、味方にいれば心強いけど、
敵に回すと厄介なタイプですかね。

そんな、ちょっぴり怖い感じがする全吉くんは、
無意識の嫉妬に振り回されている紺ちゃんに
近づきました。

全吉くんはイケメンなんですけど、紺ちゃんは
狸アレルギーなので、素っ気ないです。

なぜ、そこまで狸を毛嫌いしているのか
疑問に感じた全吉くんが尋ねると、
飯生さんが狸を嫌いだから、紺ちゃんも
狸を嫌いとのこと。

飯生さんの名前を聞いた全吉くんは、
それだけで東京の狐と気づきました。

屍鬼が海外の怪物であることも知っていたので、
四国以外の情勢にも詳しいようです。

次期頭領の従者兼お目付け役ですから、
自分たち狸以外の種族についても詳しくないと、
伊予姫ちゃんを支えられないですもんね。

隠神さんからも悪い子じゃないと言われていたし、
実際に紺ちゃんと話したことで害はないと判断した
全吉くんは、紺ちゃんを自分の謀で利用することに。

紺ちゃんの嫉妬を逆手に取った全吉くんは、
夏羽くんを取り戻すために協力することを
提案しました。

彼が取り出したのは、なんと幻結石。

けれど、紺ちゃんはそれを見ても
驚かないどころか、なんだそれと一蹴。

幻結石を譲ってもらう云々のくだりで、
彼女が気絶していたことを思い出した全吉くんは、
夏羽くんが伊予姫ちゃんと鍛錬をしている理由を
説明してあげました。

それから全吉くんは、二人が正攻法で
幻結石を手に入れようとしているけれど、
太三郎おじいちゃんはお年寄りなので、
隙を見て盗ることは可能であるとも
言いました。

この幻結石があれば、夏羽くんは
紺ちゃんのところへ戻ってくると唆しますが、
狸の力は借りたくない紺ちゃん。

そんな紺ちゃんに、全吉くんは取引を持ちかけます。

取引の条件は、全吉くんから幻結石をもらったと
絶対に言わないこと。

紺ちゃんも狸の力は借りるつもりはないけど、
取引なら仕方ないと言って幻結石を受け取ると、
夏羽くんのところへ駆けていきました。

嬉しそうな紺ちゃんを見送った全吉くんは、
落ちてきた葉っぱを幻結石に変化させます。

実は、紺ちゃんが持っていった幻結石は、
全吉くんの幻術で変化させたものだったのです。

どうして、全吉くんはこんなことをしているのか?

それは、年齢の割に幼いところのある
伊予姫ちゃんを欠点に感じていて、
今回の謀を経て成長してくれることを
望んでいるのです。

悪い子二人

全吉くんから幻結石を受け取った紺ちゃんは、
さも自分が手に入れた風を装い、夏羽くんに
もう鍛錬しなくてもいいと言いました。

紺ちゃんのドヤ顔、可愛い。

夏羽くんは紺ちゃんが実力で獲ってきたのだと思い、
どうやって獲ったのか尋ねました。

まぁ、普通に納得するわけはありませんよねー。

しどろもどろになった紺ちゃんは、
全吉くんの言葉を丸パクリして、
太三郎おじいちゃんは老体だから
隙を見てくすねてきたと答えました。

隠神さんであれば、紺ちゃんの言葉が嘘であると
見抜けたと思いますが、相手は夏羽くん。

紺ちゃんは嘘をつけませんが、夏羽くんは
相手の言葉をそのまま受け取る性格。

そして、良いことは良い。悪いことは悪いと
善悪をはっきり区別できている。

だからこそ夏羽くんは、紺ちゃんの言葉に対し、
幻結石は屋島のみんなにとって大切なものだからこそ、
実力を示して譲ってもらわなくてはいけないと
紺ちゃんを諭しました。

紺ちゃんは夏羽くんを取り戻したいだけ。

自分のために盗んできたのなら返してきて
欲しいと言うと、紺ちゃんは戸惑ったような
表情を浮かべました。

伊予姫ちゃんも盗んだ物なら早く戻せと
声をかけたのですが、紺ちゃんは狐化して威嚇。

狐化した紺ちゃんに怯える子供たちを守りつつ、
伊予姫ちゃんは全吉くんを呼んだものの、
彼は姿を見せません。

今回の騒動は彼の謀だからです。

やがて、騒ぎを聞きつけた大人たちも集まり、
先程よりも場が騒然としてきました。

遠巻きに見守る大人たちと、背後で怯える子供たち。

伊予姫ちゃんは狼狽えるなと声を荒げると、
巨大な狸の姿に変化して、紺ちゃんと対峙しました。

隠神さんの客だから、謝ればおしりぺんぺんで
許すけど、屋島のみんなをちょっとでもかじったら、
容赦はしないと、次期頭領としての貫禄を見せ付けたのです。

興奮する紺ちゃんを身体を張って止める夏羽くんは、
紺ちゃんをたしなめながらも、幻結石を返すよう
説得しました。

けれど、夏羽くんを取られたくない
紺ちゃんは説得を拒否します。

幻結石を手に入れるために、夏羽くんは
伊予姫ちゃんと過ごすことになるため、
紺ちゃんは嬉しくありません。

結局、大泣きした紺ちゃんは逃げるように
立ち去り、その後を夏羽くんは追いかけて
いきました。

紺ちゃんのわかりやすい嫉妬が
いじらしいです……

ちなみに騒動の間、全吉くんはずっと木の上で
高みの見物をしてました。

さすがの全吉くんも、やりすぎたことを後悔。

そこへ隠神さんの拳骨が落ちました。

紺ちゃんの気持ちを利用した全吉くんに、
隠神さんにプンプンです。

がっつり叱られた全吉くんは、しょんぼりしたまま
伊予姫ちゃんのところへ。

肩を落とす彼に、隠神さんは伊予姫ちゃんの立派な姿と、
そんな伊予姫ちゃんのためにがんばっている全吉くんを
褒めてあげました。

怒ったあとに、褒める。

さすが隠神さんです。

全吉くんにフォローしてこいと言いつつ、
自分もちゃんと全吉くんをフォローしてます。

悪い子≠嫌い

場面は変わりまして、
紺ちゃんを探す夏羽くん。

以前、綾ちゃんに嫉妬した紺ちゃんが
木の上にいたことを思い出した夏羽くんは、
前回と同じように、木の上で落ち込む
紺ちゃんを見つけました。

紺ちゃんがいる枝に登った夏羽くんは、
後ろからコンちゃんを抱きしめます。

イメージとしては、バイクで二人乗り
しているような体勢です。

少女マンガ的な光景ですが、二人とも
恋のこの字も知らない状態ですので、
そこに色気はなにもありません。

というか、普通に女の子を抱きしめる
夏羽くんって、天然タラシかも……

四国行きが決まってから、紺ちゃんの様子が
どこかおかしいことに気づいていた夏羽くんは、
なにか悩んでることがあるのかと尋ねました。

それに対して紺ちゃんは否定したものの、
夏羽くんは飯生さんの命令かとさらに尋ねます。

それに対しても紺ちゃんは否定を返したのですが、
紺ちゃんはどうしていいかわからなくなっていると、
言葉を紡ぎました。

紺ちゃんにとっての一番は飯生さん。

でも、夏羽くんにも嫌われたくない――

どちらが一番なのかわからない紺ちゃんに、
夏羽くんもわからないと答えました。

けれど、夏羽くんは紺ちゃんを
嫌いにならないと、言葉を重ねます。

紺ちゃんが幻結石を返さないと困るけど、
でも嫌いにはならないと言いました。

夏羽くんにとって、嫌いと悪いと困るは違うとのこと。

幻結石を返さない紺ちゃんは悪いと思うし、
困るけど、嫌いとは違うのだと。

そんな夏羽くんの言葉に、紺ちゃんは悪い子が
嫌いじゃない奴はいないと反論しました。

飯生さんは悪い子が嫌いだから、
夏羽くんのようなことは言わないと。

確かに、飯生さんは絶対に言わないですね。

あの人にとって、自分の与えた仕事を
達成できるか、できないかで判断してますし。

飯生さんの名前を何度も言う紺ちゃんは
錯乱状態になり、急に意識を失いました。

紺ちゃんの様子を見ていると、なにか
暗示のようなものをかけられるのかも
しれません……

気絶した拍子に手放された幻結石が葉っぱに
戻ったのを見て、夏羽くんは初めてそこで、
その石が偽物だと気づいたのでした。

場面は変わりまして、お屋敷の中では
全吉くんが自身の謀を謝罪していました。

伊予姫ちゃんは謝罪を受けるも、
ツーンとつれない態度です。

気を失ってしまった紺ちゃんですが、
熱はあるものの、そこまで高熱ではないとのこと。

今回の騒動は、紺ちゃんのヤキモチが
爆発したとのことで、お世話係りの
女性たちは好意的でした。

紺ちゃんの看病は女中さんたちが
してくれることになったため、
夏羽くんたちは鍛錬を再開することに。

一応、全吉くんは謝罪したんですけど、
伊予姫ちゃん的には反省しているように
見えない態度らしく、もう口はきかないと
プンスコです。

夏羽くん自身は謝ってくれてたから
特に気にした様子はありません。

あんまり根を持たないところが彼の
良いところですよね。

縁側を歩いていた二人は隠神さんと
鉢合わせたのですが、熱を出した
紺ちゃんの様子を見に来たようです。

成り行きで四国まで来ちゃいましたけど、
保護者代理のようなものですからね。

放置しないところが、隠神さんの懐が
広い証拠だなって思います。

そして、眠っている紺ちゃんを見た
隠神さんは、なにかに気づいた様子。

紺ちゃんが錯乱した状態を見たとき、
なにかの暗示をかけられているのかなと
感じたんですよねー。

次の話で明かされるんでしょうか……

全吉くんのアドバイス

修行を再開した夏羽くんと、伊予姫ちゃん。

攻撃をかわすところしかやってないため、
見かねた全吉くんはアドバイスをします。

攻撃が来てから避けるのでは遅い。

相手がなにをしようとしているのか、
しっかり観察すること。

そうアドバイスした後、太三郎おじいちゃんが
初撃と二撃目の違いを教えるため、夏羽くんに
耳打ちしました。

その翌日。

いつものように強烈な一撃目をヒラリと避けた
夏羽くんは、その後の連撃をかわしつつ、
太三郎おじいちゃんが持つ幻結石に手を
伸ばしていきました。

そして二度目の強烈な一撃をかわすと、両者共に
距離を取ります。

これまでとは見違えるほど動きが変わった夏羽くんに
なにかを感じ取った太三郎おじいちゃんを、夏羽くんは
じっと見つめました。

その脳裏には、全吉くんのアドバイスがよぎります。

おじいちゃんは、強烈な攻撃をするとき、
眉間のしわが増えた状態になると。

その瞬間を見切った夏羽くんは、
太三郎おじいちゃんの背後を取りました。

幻結石に触れたものの、ほんの僅かに指先が
掠った程度で奪うことはできません。

一瞬の隙を突かれてしまった夏羽くんは、
三度目の強烈な一撃を前に倒れてしまいました。

柱の影から様子を見ていた伊予姫ちゃんと全吉くんは、
惜しかったと残念がるも、夏羽くんは引っかきの鍛錬が
足りなかったと反省。

紺ちゃんの知らないところで、夏羽くんは
穴掘りの鍛錬が無意味なものではなかったと
痛感した模様です。

さいごに

太三郎おじいちゃんの試練も次号で
最後ですかねー。

気を失っている紺ちゃんの秘密も
気になるところではあります。

そして、伊予姫ちゃんと全吉くんとは
このまま四国でお別れになるのかと思うと、
寂しいような……

なんだかんだで、東京までついてきて
探偵事務所に居候しそうな予感がします。

伊予姫ちゃんの社会勉強のためとか。

あ、でも、全吉くんとシキは相性が
悪そうですよね。